トラムセット(トアラセット)の副作用と豆知識【痛み止め】

中々治まらない痛みによく使われている優秀な薬の1つ

「トラムセット配合錠(トラマドール、アセトアミノフェン配合錠)」

この薬は鎮痛剤ですが、よく聞くロキソニンよりも強い薬です。
そのため、使える人(保険が使える人)が限られています。

その症状は、
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
①非がん性慢性疼痛
②抜歯後の疼痛
この2つです。
非オピオイド鎮痛剤とは、簡単に言うとロキソニンなどの痛み止めのことです。
つまり、ロキソニンなどでも痛みが治まらない症状に使うということです。

目次

トラムセットは2種類の薬の配合剤

この薬は2種類の薬が混ざっているものです。
そのため、副作用も色々とあります。
トラムセットで特に多いのが、吐き気です!

他にもよく出る副作用として、便秘(約2割)眠気(約2割)めまい(約2割)などがあります。
吐き気は約4割の方にあり、吐き気止めと一緒に飲むことも多いですね!
この吐き気が原因で、薬をやめる人も多いくらいですから笑

ただ、やっぱり痛みが強いと日常生活がままならないですよね。
痛みがあるだけで、集中力は欠けますし、気分も落ち込むものです。
痛みでうつ状態になることもあります。

リスクとベネフィットをよく見極めながら使わないといけません。
痛みを和らげるには薬以外にも、脳をだますという行動療法もあるので、試してみるのも良いかもしれませんね。

危険な副作用

重大な副作用とは、命の危険があるもの副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。

※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください

1.意識消失(いしきしょうしつ) 0.2%

これは、意識がなくなるということです。
この副作用で怖いのは、普段の生活の中で意識が無くなることです。
例えば、車の運転中、危険な機械作業の途中などは特に危険です。
それ以外にも、突然の意識消失で、倒れて頭を打ってしまったりすることも怖いですね。

2.呼吸抑制(こきゅうよくせい) 頻度不明

言葉の通り、呼吸が抑制されて弱くなることです!
さらに、呼吸機能が高度に低下している場合、炭酸ガスナルコーシスという症状を起こすことがあります!
簡単に言うと、呼吸が弱くなり、血中の二酸化炭素の量が増えて、酸素が少なくなる状態です!

症状としては意識障害などの中枢神経症状が現れます。
ひどい場合、昏睡状態などの危険があるので恐ろしいです・・・
このような場合には気道を確保し、換気をはかるなど適切な処置を行うこととされています!

3.依存性(いぞんせい) 頻度不明

長い間使っていると、依存や耐性が現れることがあります。
これは、薬の片方の成分トラマドール」による症状ですね。

また、急な中止や減量するときに退薬症候という症状が現れることもあります。
例えば、興奮、不安、神経過敏、不眠、ふるえ、胃腸症状、パニック発作、幻覚、耳鳴などがあります。

その他の副作用のまとめ

『5%以上』
傾眠(25.9 %)、浮動性めまい(18.9%)、 頭痛、悪心(41.4 %)、嘔吐(26.2%)、便秘(21.2 %)、胃不快感、肝機能検査異常、そう痒症、異常感

『1%~5%未満』
貧血、食欲不振、不眠症、味覚異常、高血圧、ほてり、腹痛、下痢、口内炎、口内乾燥、消 化不良、胃炎、発疹、多汗症、冷汗、排尿困難、口渇、倦怠感、発熱、浮腫、体重減少、血中CPK増加、血中尿素増加、血中トリグリセリド増加、血中ビリルビン増加、尿中血陽性、尿中ブドウ糖陽性

『1%未満』
痙攣、意識消失、腎盂腎炎、高脂血症、低血糖症、不安、幻覚、筋緊張亢進、感覚鈍麻、錯感覚、注意力障害、 振戦、筋不随意運動、第4脳神経麻痺、片頭痛、視覚異常、耳不快感、耳鳴、回転性めまい、動悸、呼吸困難、嗄声、逆流性食道炎、口唇炎、胃腸障害、腹部膨満、胃潰瘍、鼓腸、メレナ、上部消化管出血、アルブミン尿、尿閉、胸部不快感、無力症、悪寒、好酸球数増加、白血球数増加、ヘモグロビン減少、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、 血中ブドウ糖増加、血小板数増加、血中クレアチニン減少、血中尿酸増加、好中球百分率増加、転倒、転落

『頻度不明』
ショック、アナフィラキシー、依存性、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎不全、喘息発作の誘発、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少症、呼吸抑制、錯乱、多幸症、神経過敏、健忘、離人症、うつ病、薬物乱用、インポテンス、悪夢、異常思考、せん妄、運動失調、昏迷、会話障害、運動 障害、縮瞳、散瞳、不整脈、頻脈、低血圧、嚥下障害、舌浮腫、乏尿、疲労、胸痛、失神、離脱症候群

多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。

薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!

この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!

参考
PMDAホームページ
添付文書

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

複数の薬剤師で運営しております。
調剤薬局で働いている現役薬剤師です。
勉強、メモ用のブログに変更しました。
何かありましたらTwitterへご連絡ください。

コメント

コメントする

目次
閉じる