血圧薬とグレープフルーツの飲み合わせを詳しく解説!【高血圧】

今回は血圧のお薬とグレープフルーツジュースの飲み合わせについて説明します。
高血圧の方でお薬を飲んでいる方は多いですよね!
薬を飲んでいる方で、
『血圧の薬を飲んでる人はグレープフルーツを摂ってはダメ!』
と言われたり、聞いたことはありませんか?

最近ではテレビでも聞くことがありますね。
しかし、テレビはものすごい大雑把な説明で私たち医療者も困っています。
全ての高血圧の薬とグレープフルーツがダメなわけではありません。
実際に薬の名前をあげて、詳しく説明しますね!
あなたの血圧の薬があてはまっているか確認してください。

目次

なぜグレープフルーツがダメなの?

実際の薬品名をあげる前に、何故グレープフルーツがダメと言われているのか簡単にご説明します。
詳しく説明すると理解しにくいので、分かりやすくポイントをまとめます。
『薬の効果が強くなりすぎて副作用が出やすくなる』
これが一番伝えたいことです!

今回の薬は体の中や、腸でも吸収されるときなどに分解されて効き目が弱くなります(分解されて効果が出る薬もあります)。
その中でも分解するための腸管の物質の働きを抑えてしまうのです。
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」というものが、腸でその物質を抑えてしまいます。
グレープフルーツの中の特に皮の部分(白いところ)に「フラノクマリン」が含まれているので、グレープフルーツジュースのような濃縮しているものが特に注意です!
そのため、グレープフルーツの皮を丁寧に取り除いて、身の部分だけであればそこまで多く含まれてはいないです。
それでも注意が必要ではありますが・・・

一緒に飲まなければいいんでしょ?

こう考えるのは普通かと思いますが、実はびっくりすることがあります。
このグレープフルーツジュースによる効果は24時間以上持続することもあるので、薬と一緒に飲まなくても注意が必要です。
詳しくは下部をご覧ください。

効き目が強くなるなら良いんじゃない?

と思う人もいるかと思いますが、薬はそもそもの分解されることも含めての試験がされています。
ですので、効果が強く出過ぎると、薬の副作用が出やすくなってしまいます・・・
血圧が下がり過ぎたりすることで、ふらつきや意識が混濁することもあり、転倒や事故を起こしてしまうこともあるので本当に気を付けましょう。

薬品名&飲んではいけない期間

この記事を読んでくれているあなたが一番興味のある薬品名をご紹介します。
その前に、高血圧の薬の種類はたくさんあります。

『カルシウム拮抗薬』
『アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)』
『アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)』
『β(ベータ)遮断薬』
『α1遮断薬』
『利尿薬』
『抗アルドステロン薬』
『中枢性交感神経抑制薬』
『レニン阻害薬』
『その他降圧薬』
『これらの配合剤』

このように色々あるのです。
この高血圧の薬の中でグレープフルーツがダメと言われているのは一番上の『カルシウム拮抗薬』と言われている種類のものです。
ただ、この中でもそこまで影響のないお薬もあるので、是非ご覧ください。

※()内は成分名・ジェネリック名
※何時間あけるかは、メーカーの基準ではなく大雑把ではあります。その為、グレープフルーツジュースは飲まないことが望ましいです。

【同時摂取しても問題ない】

ヘルベッサーR(ジルチアゼム・ヘマレキート)

【常飲は避けた方が良いが、単回摂取なら同時摂取も大きな影響はない】

アムロジン・ノルバスク(アムロジピン)

【常飲なら3日間はあける。単回摂取なら服用前10時間はあけて、服用後2時間あける】

カルスロット(マニジピン)

【常飲なら3日間はあける。単回摂取なら服用後4~5時間あける】

アテレック(シルニジピン)

【3日間はあける】

カルブロック(アゼルニジピン)
バイミカード(ニソルジピン)

【服用前10時間はあけて、服用後2時間はあける】

サプレスタ(アラニジピン)

【服用前後10時間はあける】

バイロテンシン(ニトレンジピン・ドスペロピン・バイニロード)
ムノバール・スプレンジール(フェロジピン)

【服用前後3~4時間はあける】

ランデル(エホニジピン)

【服用前後2時間はあける】

コニール(ベニジピン)

【グレープフルーツジュースは飲まないのが良い】

アダラート・セパミット(ニフェジピン)
ニバジール(ニルバジピン)
ヒポカ(バルニジピン)
ペルジピン(ニカルジピン)
ワソラン(ベラパミル)

グレープフルーツ以外の柑橘類は?

グレープフルーツ以外の柑橘系はどうなのか気になりますよね。
グレープフルーツが一番多く「フラノクマリン」が含まれていますが、他にも含まれている柑橘類があります。
絶対ダメではないですが、気を付けてください。

【食べない方が無難な柑橘類】

甘夏、きんかん、ざくろ、ざぼん、サワーオレンジ、スウィーティ、だいだい、夏みかん、晩白柚、ビターオレンジ、ブラックマルベリー、ブラックラズベリー、文旦、ボンタン、ポメロ、山ぶどう、ライムなど
※オレンジマーマレードは文旦やだいだいを原料にしていることがあります

【食べても問題ない柑橘類】

いよかん、温州ミカン、オレンジ、カボス、スイートスプリング、デコポン、ネーブル、日向夏、ポンカン、ゆず、レモンなど
※ただし レモンや日向夏の皮は食べない方が良いので、マーマレードや皮ごと食べる砂糖漬けなどは避けてください。

最後に

今回はグレープフルーツと高血圧の薬の飲み合わせについて解説しました。
もちろん血圧の薬以外にも、グレープフルーツは同じような理由で避けた方が良い薬はありますので、医師・薬剤師に相談してみて下さい。
食べ物やサプリメントなど様々なもので飲み合わせが悪いものが数多くあります。
実はあの食品も⁈なんてこともありますので気をつけてください。

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この記事を書いた人

複数の薬剤師で運営しております。
調剤薬局で働いている現役薬剤師です。
勉強、メモ用のブログに変更しました。
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