肝機能障害(かんきのうしょうがい)、黄疸(おうだん)と読みます。
肝臓が普段はどのような働きをしているかご存じですか?
肝臓は、生きていくために必要な働きをするとっても大切な臓器です。
体内の解毒作用を行ったり、体の中に入った薬は肝臓で分解されるものも多いのです。
アルコールの分解にも関わっているので、お酒をよく飲む人は、休肝日(きゅうかんび)を作ろうなど言われますよね。
それくらい肝臓は大切な臓器なのです。
では、肝臓の機能が弱くなることでどのようなことが起きるのか見ていきましょう。
肝機能障害、黄疸とは?
肝機能障害は簡単に言うと、肝臓の機能が低下することを言います。
肝炎、黄疸もこの中に含まれます。
ここでは薬による肝機能障害を主に記載しています。
体の中に入った薬は肝臓で分解や代謝を受けることで、効果が出るものや失うものが数多くあります。
その為、肝臓の負担が増えたり、代謝物が肝臓に炎症を起こしたりすることで肝臓の機能が低下します。
肝臓の働きが弱くなると、薬が分解されず、薬の効果が強くなりすぎて副作用が出やすくなってしまうこともあります。
また、肝臓が悪い人は肌の色が悪い・黒っぽいなどと聞いたことがある人も多い思います。
肝臓の解毒作用が低下することにより、体内の毒素や老廃物がたまり、血液が汚れたり皮ふに沈着してしまったりすることが原因とも言われています。
他にもメラニン色素の増加や鉄の組織への過剰な沈着など、様々な複雑な要因もあります。
黄疸(おうだん)も肝機能障害の一部であり、肌などの色が変化する要因の一つです。
黄疸は肝機能障害に多い色素沈着の一つで、血液中のビリルビンというものが増えることで皮ふの色が黄色っぽくなっていきます。
どのあたりが黄色くなりやすいかは次の症状の項目をご覧ください。
肝臓が動かないと生きていけません!
多くの薬で肝機能障害を起こす副作用を持っており、市販の薬や漢方薬、サプリメントなどでも起こす場合があります。
薬での原因は、たくさんの薬を飲むことももちろん一つの原因ですが、少ない量でもすぐに表れてしまうアレルギー体質の場合もあります。
他には少量でも肝障害を起こしやすい薬もありますし、特定の薬の飲み合わせで肝障害を起こしやすくなることもあります。
お酒の強さに個人差があるのと同じように、肝機能障害を起こしやすさにも個人差があるともいわれています。
薬以外では肝炎のウイルスなども肝臓の炎症を起こすことで、肝臓の機能が落ちていきます。
それでは、肝機能が低下するとどのような症状が出てくるのかご紹介します。
肝機能障害、黄疸の症状
症状として分類別に記載します。
・これらの症状はすべて起こるわけではなく、一部だけ現れることもあります。
・下記は全ての症状ではなく、他の症状が現れることもあります。
全身症状
『倦怠感(だるさ)』、『発熱』、『黄疸(おうだん)』など
消化器症状
『食欲不振』、『吐き気・おう吐』、『腹痛』など
皮膚症状
『発疹』、『じんましん』、『かゆみ』など
初期症状
『全身のだるさ』、『食欲がなくなる』、『発熱』、『身体のかゆみ』、『湿疹などの皮ふの症状』、『吐き気・おう吐』などが自覚症状としては多くなっています。
また、症状として現れませんが、血液検査で発見される場合もあります。
血液検査項目:AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、γGTP、ビリルビン、アルブミン 等
黄疸(おうだん)の症状は、目の白い部分が黄色になる、皮ふが黄色っぽくなることが見てわかる症状です。
血液の中にはビリルビンという物質が上昇し、それが皮ふの神経を刺激することもあるので、かゆみが出ることもあります。
肝機能障害、黄疸が出た時の対処法
先ほどにあげた初期症状が出た場合、副作用なのか、ただの体調不良なのか判断が難しいのは事実です。
血液検査などをしなければ肝障害を起こしているかは、正確には分かりません。
特にお子さまの場合、症状をうまく伝えられない、表現できない、症状が明確ではないことが多いので、注意してください。
大人であればご自身で異常は分かりますが、お子さまの場合は保護者など周りが気づいてあげることが大事になりますので、こまめに観察をしてください。
しじみの味噌汁が肝臓に良いとかはよく聞きますよね。
ただ、薬による肝障害の場合は、しじみだけでは対処できるものではありません。
いつもと体調が異なる、何かわからないが変な感じがするなど異常があれば、すぐに医療機関を受診することが大事になります。
日本人は我慢強い方が多いこともありますが、異常がある時は無理をせずに、できるだけすぐに受診しましょう。
まとめ
多くの薬で肝機能障害の副作用が起こる可能性が含まれています。
肝臓は生きていくうえで、とても大事な臓器の一つです。
体調変化がある時に気付かないふりをしないでください。
医師に言いづらければ、薬剤師にご相談ください。
検査はできませんが、医師との間に入って相談することもできます。
異常があればすぐに受診、多くの方が使用している医薬品でも副作用があるものが多いということを頭の片隅に置いて薬を使用しましょう!
コメント