今日は認知症の方が使用するお薬をご紹介します。
認知症薬としてよく使われている薬の1つである
「アリセプト錠(ドネペジル)」
認知症(アルツハイマー型、レビー小体型)と診断された方でこの薬を飲んでいる人は多いですね。
認知症と言えばこの薬
アリセプトは2015年度医療用医薬品国内売上高ランキングでは、
なんと!29位に入っています!!
ランキングでわかるように、服用されている方が多いということです。
認知症は治せない
余談ですが、
認知症薬の飲み薬で認知症を治す薬はまだ出ていません。
今は進行を抑える薬しかないのです…
ただ、研究が進んでおり、治すことができる薬の開発も少しずつ進んでいるようです
どんなに早くてもあと数年はかかるのではないでしょうか?
研究が進み、安全な薬が早く開発されるのを期待します。
最近では、認知症の方の外の徘徊がニュースになっていますよね!
電車事故を起こしてしまったり、行方が分からなくなったりと…
その患者の家族などに対して、管理責任を問われることもあるようです。
中々難しい問題ですよね…
政府・自治体だけでなく、なにか力になれる方法をみんなが考えていけるような環境づくりが大切なのではないかと常日頃考えており、少しずつ実現に近づけていければと思います。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
①錐体外路障害(すいたいがいろしょうがい)
頻度(アルツハイマー型認知症:0.1~1%未満、レビー小体型認知症:9.5%)
名前からでは一体何の症状が出るか想像つきませんよね!
錐体外路(すいたいがいろ)とは簡単に言うと一部の神経です!
人は神経を通して、信号を送ることで体を動かすことができています
その神経に障害が起きている状態です!
症状としては、
寡動(かどう):日常での動きが遅くなる
運動失調:うまく体を動かせない
ジスキネジア:口や舌の異常な運動(もぐもぐさせる、食いしばる等)、舌がもつれる、手足が勝手に動く
ジストニア:顔や首のこわばり、姿勢異常(首がそり返る等)、けいれん、目が正面を向かず目の玉がクルクル回る
振戦:ふるえ
歩行異常、姿勢異常、言語障害等があらわれることがあります!
パーキンソン症状と似たような症状がでます!
高齢者の場合、認知症による症状か、副作用によるものかの判断が難しい場合もあるので、少しでも気になる場合はご相談を!
②悪性症候群(あくせいしょうこうぐん) 頻度0.1%未満
これも名前からでは何が何だか分からないですよね!
「悪性」と付くと、ガンと思う方も多いかもしれませんが、ガンではありません!
ガンではありませんが、危険な副作用であることには変わりません!
悪性症候群の多くは、急激に症状が変化します!
抗精神病薬の副作用として聞くことが多いですね!
悪性症候群は、放置すると腎臓に障害が残ったり、最悪命の危険につながる可能性があります!
症状としては、原因が分からない37.5℃以上の高熱、汗をかく、ボーっとする、手足がふるえる、身体のこわばり、話しづらい、よだれが出る、飲み込みにくい、脈が速くなる、呼吸の数が増える、血圧が上昇する等の症状が急に出てきます!
周りの人が気づいてあげることが必要な副作用です!
このような症状が出ていたら、受診して医師に相談しましょう!
③消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)頻度0.1%未満
消化管出血(しょうかかんしゅっけつ)頻度0.1%未満
十二指腸潰瘍穿孔(じゅうにしちょうかいようせんこう)頻度不明
漢字がずらっと並んで、見にくいですが、簡単に言うと胃や十二指腸に穴があいたり、出血することです!
これは薬によって、胃酸が増えたり、消化管の運動が活発になったりすることで起こることがあります!
穴があいたり、出血したりするとなると、そりゃあ痛いですよね!
食べ物や飲み物が必ず通る場所なのですから、頑張って働いてくれている臓器です!
この薬は飲み始めのころ、吐き気などが出やすい薬なので、合わさったら踏んだり蹴ったりですね…
このような症状が出た場合は、適切な処置を行うこととされていますので注意を!
その他の副作用のまとめ
『1%~3%未満』
食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢
『0.1%~1%未満』
発疹、瘙痒感、腹痛、便秘、流涎、興奮、不穏、不眠、眠気、易怒性、幻覚、攻撃性、せん 妄、妄想、多動、抑うつ、無感情、徘徊、振戦、頭痛、めまい、LDH、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、AlPの上昇、動悸、血圧上昇、血圧低下、BUNの上昇、尿失禁、頻尿、白血球減少、ヘマトクリッ ト値減少、貧血、CK(CPK)、総コレステロール、トリグ リセライド、アミラーゼ、尿アミラーゼの上昇、劵怠感、むくみ、転倒、筋痛
『0.1%未満』
嚥下障害、便失禁、リビドー亢進、多弁、躁状態、錯乱、昏迷、顔面紅潮、脱力感、胸痛
『頻度不明』
悪夢、心房細動、尿閉、発汗、顔面浮腫、発熱、縮瞳
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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