LDLコレステロールを下げる薬としてよく使われている優秀な薬の1つ
「リピトール錠(アトルバスタチン)」
リピトール(アトルバスタチン)の作用は簡単に書くと、
・コレステロールの低下
・トリグリセリド(中性脂肪)の低下
・動脈硬化への進展抑制
などがあります。
リピトールの役割
つまり、肝臓でのコレステロールの合成を抑えます。
それにより、血中の脂質割合を調節して、コレステロールが多いことによる動脈硬化の発症を抑えます。
私も薬局で患者さんによく説明しています!
悪玉と善玉コレステロール
余談ですが、
以前は高脂血症と言われていましたが、最近では脂質異常症と言われます。
コレステロールには悪玉と善玉があるのはご存知ですか?
悪玉はLDLコレステロール、善玉はHDLコレステロールと言います。
ちなみに中性脂肪はTG(トリグリセリド)と言います。
現時点では、
LDLコレステロールは140以上で高く、
HDLコレステロールは40未満で低い状態です!
中性脂肪は150以上で高いと判断されます。
つまり、悪玉が高く、かつ、善玉が低いとあまりよろしくない状態です。
また、悪玉と善玉の比率が大事とも言われていますね。
LH比と言われますが、この数値から動脈硬化の状態、血管内の状態を把握します。
LH比=悪玉(LDL)÷善玉(HDL)が2よりも高いとあまりよろしくないです。
注:他の病気をお持ちの方は、1.5以下を基準にする場合があります
簡単に言えば、善玉よりも悪玉が2倍以上あったら動脈硬化の心配をしましょうということです!
コレステロールが増えると・・・
悪玉コレステロールが増えると、血管内にこびりついて、どんどん固まっていきます。
つまり、動脈硬化、血管が硬くなることです。
すると、その硬くなった血管が破裂したりして、血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞にも発展してしまうのです。
普段生活している上では、コレステロールが高いか低いかなんて感覚ではわかりませんよね?
だから怖いのです!いつの間にか進行して、取り返しのつかない事態になるかもしれません。
薬を飲むことになっても、勝手にやめたりせず、継続して飲みましょう!
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
1.横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう) 頻度不明
何かすごい怖い名前ですよね
コレステロールの薬を初めて飲むとき、薬局で必ずこの副作用の説明をされます。
皆さんはその説明を覚えていますか?(たぶん覚えていないですよね笑)
その名前の通り、筋肉が壊れて、溶けてしまうのです!!
症状としては、運動もしてないのに手足の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力がはいらない、全身がだるい、尿の色が赤色になる等があります!
その場合には中止し、適切な処置を行うこととされています
これ、筋肉が壊れるだけでなく最悪の場合、他の臓器にダメージを与えて、生命を脅かしたり、重い障害を残すこともあるのです!
怖い副作用です!
違和感があればすぐに受診して、血液検査をしましょう!
2.免疫性壊死性ミオパチー(めんえきせいえしせいみおぱちー) 頻度不明
この副作用は2016年10月に追加された新しい副作用です。
ミオパチーとは、かわいい名前ですよね!
ポケモンの名前ではありませんよ!
簡単に言うと、筋力の低下です!萎縮するとも言います!
症状としては、脱力感、筋力低下、筋肉痛、手足の痙攣・麻痺等が現れます!
異常が認められた場合には 投与を中止し、適切な処置を行うことされています。
3.間質性肺炎(かんしつせいはいえん) 頻度不明
「ただの肺炎と何が違うの?せきが出るの?」と思う人も多いですよね!
確かに普通の肺炎も怖いのですが…
まず、肺は直径が約0.1~0.2mmくらいの肺胞(はいほう)と呼ばれる小さな袋が集まって出来ています!
例えるとブドウの房みたいな感じですね!
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)は、この肺胞(ブドウの実)の壁や周辺に炎症が起こり硬くなるイメージです!
そうすると、うまく酸素が取り込めず、血液中の酸素が減ってしまい息が苦しくなります。
さらに怖いのが、進行すると肺線維症(はいせんいしょう)と言って肺がカッチカチに硬くなってしまうことも…
症状がひどいと、酸素ボンベを常に付けながらの生活をすることもあります。
ボンベも数キロの重さはありますし、息をするのも苦しいし・・・
最悪の場合、人工呼吸器に繋がれることも…
症状としては、階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、乾いたせきが出る、発熱等が現れます!
そのような症状が出たらすぐに検査を!
その他の副作用のまとめ
『1%~0.5%未満』
そう痒感、発疹、皮疹、貧血、白血球減少、AST(GOT)上昇、 ALT(GPT)上昇、 γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、肝障害、アミラーゼ上昇、下痢、軟便、嘔気、悪心、胸やけ、 便秘、胃不快感、心窩部痛(心窩部の疼痛)、腹部膨満感、食欲不振、消化不良、CK(CPK)上昇、筋肉痛、背部痛、頸・肩のこり、こわばり感、めまい、不眠(症)、四肢しびれ(感)、テストステロン低下、コリンエステラー ゼ上昇、TSH上昇、ACTH上昇、アルドステロン低下、グルコース上昇、HbA1c上昇、血清鉄低下、K上昇、BUN上昇、頭痛、全身倦怠(感)、浮腫(顔面・四肢等)
『0.1%未満』
肝機能障害、高血糖、発赤、皮膚乾燥、皮膚亀裂、血小板減少、嘔吐、胃炎、口内炎、腹痛、口渇、舌のしびれ、口のしびれ、咳、痙攣、無力症、関節痛、胸痛、異常感覚、末梢神経障害、耳鳴、霧視、眠気、脳梗塞、肺炎、帯状疱疹、動悸、味覚異常、着色尿、熱感
『頻度不明』
横紋筋融解症、ミオパチー、免疫性壊死性ミオパチー、劇症肝炎、肝炎、黄疸、過敏症、無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少症、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、糖尿病、)間質性肺炎、脱毛症、光線過敏、爪の障害、膵炎、胆汁うっ滞性黄疸、舌 痛、舌炎、口唇炎、咽頭不快感、筋炎、血中ミオグロビン上昇、腱炎、腱痛、勃起障害、健 忘症、抑うつ、悪夢、女性化乳房、低血糖症、血中クレアチニン増加、血尿、頻脈、頻尿、 排尿困難、発熱
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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