コレステロールや中性脂肪が高い方によく使われている優秀な薬の1つ
「ゼチーア(エゼチミブ)」
コレステロール値が高いことは血液検査をしないと分からないので、健康診断をしていない人は要注意ですね。
数値が高くても、症状が出ることは少ないですし、症状が出た時には重症の状態です。
では、解説していきましょう!
ゼチーアとコレステロール
ゼチーアの作用
ゼチーアの作用は以前書いたブログの『クレストール』などとは異なります。
ゼチーアは小腸での食事由来や胆汁由来のコレステロールの吸収を抑える働きがあります。
それにより血中のコレステロールを低下させる作用です。
しかし、その結果肝臓のコレステロールが低下するので、肝臓がコレステロールを作らなきゃと、コレステロールの産生を亢進してしまいます。
そこで、先ほどご紹介したクレストールなどのコレステロールの合成を抑える薬と一緒に使うのが効果的とも言われていますね!
コレステロール値の治療目標
皆さんが血液検査で結果をもらっても、コレステロール値の治療目標は分かりませんよね。
そこで簡単にまとめますので、参考にしてください。
重要なことは、他に別の病気を持っていたり、なったことがある場合では目標値が異なります!
善玉と悪玉コレステロールについては、先ほどの『クレストール』や『リピトール』の記事に書いてあります。
※non-HDLコレステロール=総コレステロールからHDLコレステロールを引いた値
一般的には
LDLコレステロール:140未満
中性脂肪:150未満
HDLコレステロール:40以上
non-HDLコレステロール:170未満
を目標にします。
次の病気を持っている人はさらに厳しい目標値になります。
『糖尿病・慢性腎臓病・非心原性脳梗塞・末梢性動脈疾患』のいずれかがある方
LDLコレステロール:120未満
non-HDLコレステロール:150未満
他は一般と同じです。
さらにさらに厳しい目標値の病気が、
『冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)』になったことがある人で、
LDLコレステロール:100未満
non-HDLコレステロール:130未満
他は一般と同じです。
これはかなり厳しい値ですね。
LDLコレステロールが高いと
LDLコレステロールが高いと、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞などの症状が起きやすくなります!
基本的には長い間、もしくは一生服用しなければならない薬です。
そのため、薬を飲んでいる人は勝手にやめたりせず、医師の指示に従いましょう。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
1.過敏症(かびんしょう) 頻度不明
過敏症の中には、アナフィラキシー、血管神経性浮腫、発疹が含まれています。
この中でも聞いたことのある人が多い、アナフィラキシーについて説明します。
よくハチに刺されたときやアレルギーの食べ物を食べた後に呼吸困難になってしまったりと聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?
それもアナフィラキシーです!
薬の場合、体に合わないものを服用することで起こります。
実際、どの薬でもアナフィラキシーは起こる可能性がゼロではありません!
どの薬が体に合わないかは、実際に飲んでみないと分からないというのが現状です!
症状としては、呼吸困難、血圧の低下、意識の消失、血管浮腫、胸の痛み、体が赤くなるなどの症状が現れます!
症状がひどいと、自分では何もできない状態になるのが怖いところです。
2.横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう) 頻度不明
これは、コレステロールの薬に多く記載されているものなので、何回か出てきていますが、重要なので説明します。
この副作用はすごい怖い名前ですよね。
その名前の通り、筋肉が壊れて、溶けてしまうのです!!
症状としては、運動もしてないのに手足の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力がはいらない、全身がだるい、尿の色が赤色になる等があります。
その場合には中止し、適切な処置を行うこととされています
これ、筋肉が壊れるだけでなく最悪の場合、他の臓器にダメージを与えて、生命を脅かしたり、重い障害を残すこともあるのです!
怖い副作用です!
違和感があればすぐに受診して、血液検査をしましょう!
3.肝機能障害(かんきのうしょうがい) 頻度不明
この副作用も何度も出てきていますが、
この薬では、この3つだけしか、重大な副作用が記載されていないので、肝機能障害を記載しました。
この副作用は簡単に言うと、肝臓の機能が低下することを言います。
肝炎、黄疸なんかもこの中に含まれますね!
お酒をよく飲む人は、休肝日(きゅうかんび)を作ろうなど言われますよね。
シジミの味噌汁が肝臓に良いとか笑
そう!肝臓は、生きていくのに必要な色々な働きをするとーーっても大切な臓器なのです。
飲んだ薬は肝臓で分解されたり、体内の解毒作用を担う臓器です!
肝臓が動かなくなると、飲んだ薬が分解されず、副作用がどんどん出てきてしまったりなんてことも…
症状としては、体のだるさ、食欲がない、発熱、黄疸(目の白い部分が黄色になる等)、発疹、吐き気・おう吐、かゆみ等が現れます!
肝臓が悪い人は肌の色が悪い・黒っぽいなどと聞いたこともあると思います。
肝臓が動かないと生きていけません!
こんなに大事な大事な肝臓を傷つけるなんて怖い副作用ですよね。
その場合には中止し、適切な処置を行うこととされていますので注意を。
その他の副作用のまとめ
『1%以上』
便秘、下痢、腹痛、腹部膨満、悪心・嘔吐、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、蛋白尿、CK(CPK)上昇、発疹、コルチゾール上昇
『1%未満』
頭痛、しびれ、めまい、坐骨神経痛、アミラーゼ上昇、食欲不振、消化不良、逆流性食道炎、 鼓腸放屁、口内炎、胃炎、AST(GOT)上昇、ビリルビン上昇、BUN上昇、期外収縮、動悸、 血圧上昇、胸痛、関節痛、背部痛、四肢痛、白血球減少、そう痒、テストステロン低下、TSH上昇、尿酸上昇、リン値上昇、疲労、浮腫(顔面・四肢)、帯状疱疹、単純疱疹、結膜炎、咳嗽
『頻度不明』
過敏症、横紋筋融解症、肝機能障害、抑うつ、錯感覚、膵炎、胆石症、胆のう炎、口内乾燥、肝炎、ほてり、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮、血小板減少、蕁麻疹、多形紅斑、無力症、疼痛
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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