ユリノーム錠(ベンズブロマロン)の副作用と豆知識【痛風】

 今回は痛風などでよく処方されるお薬を紹介します。
尿酸値を下げる薬としてよく使われている優秀な薬の1つ

 「ユリノーム錠(ベンズブロマロン)」

痛風、高尿酸血症の方でこの薬を飲んでいる人は多いです!
私も薬局で患者さんによく説明しています! 

目次

 痛風の薬

余談ですが、
痛風は裕福な人の病気だと思っていませんか?
昔はそのようなことも言われていたこともあると思います笑

 痛風といえば、「プリン体」ですよね!
最近では、プリン体オフのビールなどよくCMでも見かけますね! 

ただ、ビールにもプリン体は含まれていますが、ものすごく多く含まれているわけではないのですよ!
食べ物だとレバーや魚の干物などは、ビールよりもプリン体が多く含まれているのを知っていましたか?
もちろん、飲む量・食べる量によっても変わってきますが・・・笑 

じゃあプリン体オフのビール飲むからダイジョウブ!…というわけでもないのです!
そもそもお酒自体、体内の細胞を破壊してプリン体を増加させる作用もあるのです!
痛風の方、お酒は控えめにしてくださいね!

重大な副作用のまとめ

重大な副作用とは、命の危険があるもの副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。

※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください

1、重篤な肝障害(じゅうとくなかんしょうがい)頻度不明

これは簡単に言うと、肝臓の機能が低下することを言います!
劇症肝炎黄疸なんかもこの中に含まれますね!

そもそもこの薬は添付文書(唯一の法的根拠)に【警告】として、
“1.劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現し、死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので、投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず、定期的に肝機能検査を行うこと。
また、患者の状態を十分観察し、肝機能検査値の異常、黄疸が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2.副作用として肝障害が発生する場合があることをあらかじめ患者に説明するとともに、食欲不振、悪心・ 嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに受診するよう患者に注意を行うこと。“
とされています!!! 

お酒をよく飲む人は、休肝日(きゅうかんび)を作ろうなど言われますよね
シジミの味噌汁が肝臓に良いとか笑 
そう!肝臓は、生きていくのに必要な色々な働きをするとーーっても大切な臓器なのです
飲んだ薬は肝臓で分解されたり、体内の解毒作用を担う臓器です! 
肝臓が動かなくなると、飲んだ薬が分解されず、副作用がどんどん出てきてしまった
なんてことも…

症状としては、体のだるさ食欲がない発熱黄疸(目の白い部分が黄色になる等)発疹吐き気・おう吐かゆみ等が現れます! 
肝臓が悪い人は肌の色が悪い・黒っぽいなどと聞いたこともあると思います!
肝臓が動かないと生きていけません!
最悪の場合、残念な結果になります・・・

こんなに大事な大事な肝臓を傷つけるなんて怖い副作用ですよね!
つまり、定期的な検査が何よりも重要になるので、気を付けてください! 

2、その他・注意点

重大な副作用としては先ほどの肝機能障害のみなので、おまけでその他補足や注意点をあげときます!
皆さん結石って知っていますか?
そう!あのものすごく痛そうなやつです!
結石にはいくつか種類があるのですが、 

この薬の場合、
尿が酸性の場合、尿酸結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛等の症状を起こしやすいので、これを防止するため、水分の摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化をはかること
とされています! 

尿酸を排泄させるので、その尿酸が固まると結石になるのです!
防止策として、尿のアルカリ化する薬を併用したり、たくさんの水分摂取を心がけるようにします!
たくさんの水分摂取といっても、糖分が多いものなどは避けてくださいね笑 

それと尿酸値を下げる薬を個人輸入しようと考えている人に相談を受けたことがあります! 
私はもちろん、やめた方が良いと伝えましたが…
仮に重い副作用が出た場合、医師に処方されて出された薬であれば「副作用被害救済制度」というものがあります!
もちろん諸条件があるのですが… 

ただ、個人輸入だと完全自己責任です!
そのため、個人輸入はお勧めしません!!
止めましょう! 

その他の副作用のまとめ

『0.1%以上』
搔痒感、発疹、蕁麻疹、AST(GOT)、ALT (GPT)の上昇、胃部不快感、胃腸障害、下痢、軟便、胸やけ 

『0.1%未満』
顔面発赤、紅斑、Al-Pの上昇、胃痛、腹痛、悪心、口内の荒れ、浮腫、心窩部不快感、頭痛 

『頻度不明』
重篤な肝障害、光線過敏症、黄疸

多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。

薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!

この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!

参考
PMDAホームページ
添付文書

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この記事を書いた人

複数の薬剤師で運営しております。
調剤薬局で働いている現役薬剤師です。
勉強、メモ用のブログに変更しました。
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