ワイドシリン(アモキシシリン)の副作用と豆知識【抗生物質】

抗生物質としてよく使われている優秀な薬の1つ

「ワイドシリン(アモキシシリン)」

風邪や、ケガ、溶連菌など様々な場面で使われています!

ワイドシリンには10%20%の粉があります。
この%の違いは薬の成分の量が違うということです。
見たまんまですが、20%の方が多いです笑
同じ1gでも10%は100mg、20%は200mgの成分が入ってます!2倍ですね! 

目次

ワイドシリンの味

色と味

ワイドシリンは、10%はオレンジ色に対して、20%はピンク色の粉になっています。
しかし、色が違うのに、味は同じミックスフルーツ味となっています。
厳密には若干、味が違う気もするのですが笑 

飲み合わせ

この薬は1回飲む量がまあまあ多いので、飲ませにくいことも多いかと思います。
ワイドシリンの薬の飲ませ方ですが、ミックスフルーツ味がついていても薬なので嫌がるお子さんもいます。
何かに混ぜても良いのですが、スポーツドリンクや100%オレンジジュースなどの酸味を感じるものと混ぜると、少し飲みにくいかもしれません。

そのため、オススメは牛乳、アイスクリーム、練乳などの甘みがある飲み物だと飲みやすいと思いますよ!
是非、試してみてください! 

アレルギー反応

このワイドシリン(アモキシシリン)は抗生物質であり、ペニシリン系という分類に入ります。
このペニシリン系の抗生物質は人によっては、アレルギー反応を起こし、発疹やかゆみ、赤みなどが出ることがあります。

ペニシリン系セフェム系の抗生物質が体に合わないという方はけっこう多いですよ!
もし、体に合わないことが分かっている時は、受診の際に医師と薬剤師にはしっかりと伝えましょう!!
忘れないためにもお薬手帳を活用するのがオススメです。 

重大な副作用のまとめ

重大な副作用とは、命の危険があるもの副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。

※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください

1.偽膜性大腸炎等(ぎまくせいだいちょうえん)の血便を伴う重篤(じゅうとく)な大腸炎 頻度不明

偽膜性腸炎(ぎまくせいだいちょうえん)とはなんでしょうか?
腸の中にはたくさんの腸内細菌がいるのはご存知かと思います。

簡単に言うと、その正常な腸内細菌のバランスが崩れ、ある種の菌が増えて、大腸に炎症を起こすことを言います!
症状としては、腹痛頻ぱんに下痢がおきる粘性の便お腹の張りなどがあります。

偽膜性大腸炎が起きた場合、気づかずに放置すると重症化することがあります。
そのような症状がでた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこととされていますのでご注意を! 

2.間質性肺炎(かんしつせいはいえん) 頻度不明

「ただの肺炎と何が違うの?せきが出るの?」と思う人も多いですよね!
確かに普通の肺炎も怖いのですが… 

まず、肺は直径が約0.1~0.2mmくらいの肺胞(はいほう)と呼ばれる小さな袋が集まって出来ています!
例えるとブドウの房みたいな感じですね!
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)は、この肺胞(ブドウの実)の壁や周辺に炎症が起こり硬くなるイメージです!
そうすると、うまく酸素が取り込めず、血液中の酸素が減ってしまい息が苦しくなります。

さらに怖いのが、進行すると肺線維症(はいせんいしょう)と言って肺がカッチカチに硬くなってしまうことも…
症状がひどいと、酸素ボンベを常に付けながらの生活をすることもあります。
ボンベも数キロの重さはありますし、息をするのも苦しいし・・・

最悪の場合、人工呼吸器に繋がれることも…
症状としては、階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しく

なる乾いたせきが出る発熱等が現れます!
そのような症状が出たらすぐに検査を! 

3.下痢(げり)・軟便(なんべん)

頻度としては下痢が9.1%、軟便が13.7%とかなり高い確率です。
抗生剤ではこの症状は多いので、特に心配し過ぎることないのですが。
少し緩くなったり、少し下痢している程度であれば、抗生物質は飲み切りましょう!

ひどいときは医師に相談して、飲み切るかどうか、整腸剤を追加するかどうか色々な判断があるでしょう。
とりあえず、脱水症状にはならないようにしましょうね!

その他の副作用のまとめ

『5%以上』
軟便(13.7%)、下痢(9.1%) 

『1%~5%未満』
味覚異常、腹部膨満感、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、好中球減少、好酸球増多、貧血、白血球増多、発疹 

『1%未満』
腹痛、口内炎、便秘、口渇、悪心、舌炎、胃食道逆流、胸やけ、嘔吐、食欲不振、血小板減少、そう痒、頭痛、しびれ感、めまい、眠気、不眠、うつ状態 

『頻度不明』
ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens- Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、急性腎不全等の重篤な腎障害、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎、好酸球性肺炎、無菌性髄膜炎、顆粒球減少、食道炎、十二指腸炎、痔核、黒毛舌

多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。

薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!

この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!

参考
PMDAホームページ
添付文書

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この記事を書いた人

複数の薬剤師で運営しております。
調剤薬局で働いている現役薬剤師です。
勉強、メモ用のブログに変更しました。
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