セキが出ている時によく使われている優秀な薬の1つ
「アスベリン(チペピジン)」
アスベリン(チペピジン)には錠剤・散剤・ドライシロップ・シロップの剤形があります。
皆さん、せきの時速って知っていますか?
せきの速さですが、時速100~200kmを超えると言われています。
ものすごい速さですよね笑
自動車よりも速いのですから、そりゃあ細菌も飛び散りますね笑
アスベリン(チペピジン)の作用
せき止めには「麻薬性」と「非麻薬性」があります。
アスベリンは非麻薬性の薬です。
主な作用の仕方として、延髄のせきをコントロールしている部分を抑制し、せきの感受性を低下させて、せきを抑えます。
一応、鎮咳薬(ちんがいやく)というせき止めとなっていますが、痰を出しやすくする作用も含まれていますよ。
せきには止めた方が良いせきと、止めない方が良いせきがあるのはご存知ですか?
簡単に言うと、
痰がからまない乾いたせきは止めた方が良いとされています。
その逆の、痰がからむせきは止めずに、痰を出した方が良いとされています。
しかし、痰がからんでいても、せきが多くて体力が消耗するような状態であればある程度はせきを止めた方が良い場合もあるので、医師の判断を仰ぎましょう!
せきの消費カロリー
ちなみに、せき1回の消費カロリーは2kcalと言われています。
2kcalですよ!?
1時間軽く走っても、200~400kcalなのに・・・
100回せきをすれば、ダイエットになりますかね?笑
尿が赤色に?!
もう1つ!
アスベリンが体の中で分解された代謝物によって、尿が赤色になることがあるのです!
特に、お子さんに飲ませたお母さんがビックリして、薬局に電話で相談をいただくことがたまにあります。
薬による着色だと聞くと皆さん安心されますが。
薬をやめれば、元に戻ります!
もちろん、血尿との区別も大切ですので、気を付けましょう。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
1.咳嗽(がいそう)、腹痛、嘔吐(おうと)、発疹、呼吸困難等を伴うアナフィラキシー様症状 頻度不明
長ったらしい副作用ですね笑
普通のアナフィラキシーにセキや腹痛、嘔吐、発疹も出るよと言いたい感じでしょうか。
よくハチに刺されたときやアレルギーの食べ物を食べた後に呼吸困難になってしまったりと聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?
それもアナフィラキシーです!
薬の場合、体に合わないものを服用することで起こります。
実際、どの薬でもアナフィラキシーは起こる可能性がゼロではありません!
どの薬が体に合わないかは、実際に飲んでみないと分からないというのが現状です!
症状としては、呼吸困難、血圧の低下、意識の消失、血管浮腫、胸の痛み、体が赤くなるなどの症状が現れます!
症状がひどいと、自分では何もできない状態になるのが怖いところです。
2.眠気・不眠(ねむけ・ふみん)
副作用って不思議ですよね。
眠気と不眠、真逆のことが書いてあることが多いのです。
それほど、副作用かどうかの判別が難しいということです。
どちらも記載しないと、いざ何かあったときに自社を守れないので、医薬品メーカーも大変です。
海外だとすぐに訴訟ですからね。
もちろん、訴訟大国であれば医薬品メーカーが負けてしまいますので、説明書などもかなり分厚く、常識では考えられないことも書いてあったりするそうですよ笑
3.過量投与(かりょうとうよ)
副作用がそこまで多くないので、今回は過量投与したときの症状を書いておきます。
眠気、眩暈(めまい)、興奮、せん妄(せんもう)、見当識障害(けんとうしきしょうがい)、意識障害、精神錯乱(せいしんさくらん)等が出ることがあるようです。
基本的に薬を飲み過ぎることはないと思いますが、先発品と後発品(ジェネリック)では名前が違うので、気づかないこともあるかもしれません。
お薬手帳を活用していただければ、私たち薬剤師が気づけます。
是非、お薬手帳を使ってください!
その他の副作用のまとめ
『0.1%~5%未満』
眠気、不眠、眩暈、食欲不振、便秘、口渇、胃部不快感・膨満感、軟便・下痢、悪心、そう痒感
『頻度不明』
咳嗽、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難等を伴うアナフィラキシー様症状、興奮、腹痛、発疹
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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