糖尿病の方によく使われている優秀な薬の1つ
アマリール(グリメピリド)
先発品:アマリール
ジェネリック名(一般名):グリメピリド
この薬は0.5mg、1mg、3mgの3種類があります。
口の中ですぐに溶けるOD錠も発売されています。
アマリール(グリメピリド)は昔から多くの方に使われている血糖値を下げる薬です。
血糖値を下げる効果は良いですが、低血糖も起こりやすいので注意が必要です。
豆知識
血糖値が高いと何が問題なの?
糖尿病については、『セイブル(ミグリトール)』や『スーグラ(イプラグリフロジン)』、『テネリア(テネリグリプチン)』、『メトグルコ(メトホルミン)』もご参照ください。
糖尿病というと血糖値が高いというのはご存知ですよね。
では何故、血糖値が高いと身体によくないのかご存知ですか?
身体によくない理由を知らないと、なかなか治療に積極的になれず、飲み忘れや自己判断で中止してしまったりする方がでてきます。
簡単に結論を言うと、動脈硬化になりやすくなるのです。
他にも、3大合併症とうい病気になりやすくなります。
3大合併症は腎障害、網膜症(失明につながる)、神経障害(しびれなど)です。
まずは、簡単に動脈硬化になるまでの流れをご説明します。
血糖とは
血糖と言われるものは、「ブドウ糖」です。
健康な人であれば、血液の中のブドウ糖が増えれば、インスリンという物質が出て、そのインスリンの働きで血糖値が下がっていきます。
ところが、糖尿病の方は、そのインスリンの分泌が弱くなっていたり、インスリンがうまく働かなくなっていたりするのです。
結果的に、血液中のブドウ糖が増えすぎると、活性酸素というものが増えて、その活性酸素が血管を傷つけていくのです。
血管が傷つけられると、傷ついた血管の膜にコレステロールなどがたまりやすくなり、血管がどんどん分厚く、硬くなっていきます。
これが動脈硬化です。
いずれは脳卒中や心筋梗塞につながる恐れがあります。
3大合併症については別の機会で説明します。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
低血糖
頻度は他の糖尿病薬と一緒に使用することで0.1~5%未満、単独では頻度不明
低血糖(ていけっとう)と読みます。
血糖値が、60‐70 mg/dL未満なると低血糖症状が現れやすくなります。
低血糖は、冷や汗、吐き気、強い空腹感、寒気、動悸、手足の震え、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになるなどの症状が現れます。
最悪の場合、昏睡などもあります。
低血糖症状が現れたらすぐに糖分補給をしてください。(できればブドウ糖が良いですよ!)
自分ではどうしようもなくなったら、直ちに救急車を呼んでください!
無顆粒球症
頻度不明
無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)と読みます。
白血球は聞いたことある方が多いと思いますが、体に入った細菌などの異物をやっつける重要な働きをしています。
その白血球の中の好中球が著しく減ってしまい、細菌などの異物に対する抵抗力が弱くなります。
症状としては、突然の高熱、寒気、のどの痛み等の風邪症状が現れます。
風邪をひきやすくなったり、体調の異常があれば受診してください。
溶血性貧血
頻度不明
溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)と読みます。
薬剤投与に伴い、赤血球の破壊されることで起こります。
薬が赤血球のヘモグロビンの酸化的変性を引き起こし、赤血球の破壊をきたすとも言われています。
赤血球が壊されることで、体は赤血球を頑張って作ろうとします。
しかし、その崩壊が強いと骨髓からの赤血球の産生が間に合わなくなり、貧血になってしまいます。
症状としては一般的な貧血と同じように、だるさ、どうき、息切れ、めまいなどが現れることがあります。
貧血の症状はなかなか気づきにくいこともありますが、このような症状が現れたら病院を受診してください。
血小板減少
頻度不明
血小板減少(けっしょうばんげんしょう)と読みます。
その名の通り、血液中の血小板が少なくなります。
症状としては、青あざができやすい、歯磨きの時に出血しやすい、生理出血が止まりにくくなって出血量が増える、鼻血などが現れます。
そのような症状がでた場合にはご相談ください。
肝機能障害、黄疸
頻度不明
肝機能障害(かんきのうしょうがい)、黄疸(おうだん)と読みます。
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴うこともあります。
症状としては、体のだるさ、食欲がない、発熱、発疹、吐き気・おう吐などです。
黄疸の症状は、目の白い部分が黄色になるなどが現れます。
血液検査をしなければ、体調不良との見分けが難しいので、異常があればご相談ください!
詳しくはこちら『肝機能障害、黄疸の症状とは』
再生不良性貧血
類薬での重大な副作用
再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ)と読みます。
骨髄で血液が造られなくなることによって、血液中の血球が減ってしまうことで起きる貧血です。
血液中の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減ってしまいます。
薬によっても引き起こされることもあります。
血小板が少なくなると皮ふに青あざができたり、歯茎や鼻から出血が現れることがあります。
症状として、青あざができやすい、歯茎や鼻の粘膜からの出血、発熱、 のどの痛み、皮膚や粘膜が青白くみえる、疲労感、動悸、息切れ、気分が悪くなりくらっとする、血尿などが現れることがあります。
このような症状が現れたら病院を受診してください。
その他の副作用のまとめ
『0.1%~5%未満』
嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、発疹、めまい、血清カリウム上昇・ナトリウム低下等の電解質異常、倦怠感
『0.1%未満』
便秘、腹部膨満感、腹痛、そう痒感等、頭痛、CK(CPK)上昇、浮腫、脱毛、一過性視力障害
『頻度不明』
光線過敏症、味覚異常
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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