糖尿病の方によく使われている優秀な薬の1つ
スーグラ(イプラグリフロジン)
先発品:スーグラ
ジェネリック名(一般名):イプラグリフロジン
この薬は25mg、50mgの2種類があります。
スーグラは比較的新しい薬で、体の中から尿を通して糖分を出す薬です。
新しい薬ではありますが、注意点もいくつかあるので説明していきますね。
豆知識
スーグラの注意点
このお薬は尿中に糖分を排泄することで、血糖値を下げるお薬です。
そのため、注意点があります。
・トイレの回数が増えるので、脱水に注意
これは薬の作用のため、しょうがないことではあります。
トイレの回数が増えることで、体の水分量が減ります。
そうなると、脱水状態になることがあります。
そのため、適度な水分補給が大事になります。
ここで注意が必要なのですが、水分補給でスポーツドリンクやジュースなど糖分が多いものには気を付けてください。
水や麦茶などが良いと思います。
・感染症に注意
尿中に糖分が増えることで、感染症のリスクが上がります。
一般的に尿路感染症と言いますが、トイレで痛みが出るようなことがあれば、すぐに病院で受診してください。
糖尿病の症状は?
糖尿病については、『アマリール(グリメピリド)』、『テネリア(テネリグリプチン)』、『セイブル(ミグリトール)』、『メトグルコ(メトホルミン)』もご参照ください。
今回は糖尿病になるとどんな症状が出るのかについて書いていきます。
糖尿病事態は、初期のころでは症状が分かりにくいことが多いです。
そのせいで、病気が発覚したころには重症になっていることも多々あります。
そのため、高血糖の症状を見逃さないことが大切です。
①トイレの量が増える
体の中の糖分を外に排泄しようとするため、尿の量が増えます。
②のどが渇く
先ほどのトイレの量が増えることと関係もしていますが、水分が排泄されることで、体の水分量が不足してしまいます。
その結果、のどが渇くというものです。
③ご飯を食べているのに体重が減る
食べ物の糖分をうまく使えなくなり、身体の脂肪や筋肉からエネルギーを使ってしまうので、体重が減ります。
④食べてもお腹がすく
これは③の理由と同じです。身体からエネルギーをどんどん使ってしまうのでお腹が減ります。
⑤体がだるい・疲れやすい
これは上記①~④までが合わさることにもよります。エネルギーが足りなくなれば体は重くなりますし、トイレの回数が増えて夜起きることが多くなれば、睡眠不足などにもなります。
さらに糖尿病が進行すれば、
・タンパク尿が現れる
・足がむくむ
・目の網膜が出血を起こす
・手足のしびれが起こる
・自律神経がおかしくなり、立ちくらみが起こる
等の症状が出てきます。
まずは初期段階で、見つけることが重要になります。
そのためにも、定期的な健康診断はしっかりと行いましょう。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
低血糖
頻度は1.0%
低血糖(ていけっとう)と読みます。
他の糖尿病薬と併用することで頻度は上がる傾向にあります。
糖尿病薬を飲むときにはとても重要な副作用なので覚えておいてください。
血糖値が、60‐70 mg/dL未満なると低血糖症状が現れやすくなります。
低血糖は、冷や汗、吐き気、強い空腹感、寒気、動悸、手足の震え、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになるなどの症状が現れます。
最悪の場合、昏睡などもあります。
低血糖症状が現れたらすぐに糖分補給をしてください。(できればブドウ糖が良いですよ!)
自分ではどうしようもなくなったら、直ちに救急車を呼んでください!
腎盂腎炎
頻度は0.1%
腎盂腎炎(じんうじんえん)と読みます。
腎臓などの尿路の細菌感染の1つです。
腎盂(じんう)とは、腎臓で作られた尿が集まるところで、そこから膀胱(ぼうこう)へ送るようになっているところです。
症状としては、寒気、ふるえ、発熱、わき腹の痛み、腰の痛み、吐き気などの症状が現れます。
この細菌感染から敗血症という病気になってしまうこともあります。敗血症についても下記に記載しています。
他にも症状が悪化すると腎機能障害が合併することもありますので、異常が現れたら病院を受診し、検査してください。
外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)
頻度不明
外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(がいいんぶ および えいんぶ の えしせいきんまくえん)
別名で、フルニエ壊疽(ふるにええそ)と読みます。
これは先ほどの尿路感染がきっかけとなることが多く、外陰部や会陰部陰に炎症や膿などが起こる疾患です。
元々、糖尿病の方に多くみられる症状ですが、薬の作用が原因になることもあります。
症状としては、外陰部や会陰部の赤み・腫れ・痛み、全身症状として高熱やショック症状などが現れることがあります。
こちらも感染症の一部なので、症状が現れたら放っておかずに病院を受診してください。
敗血症
頻度不明
敗血症(はいけつしょう)と読みます。
敗血症とは、感染症部分の細菌などが繁殖し、これらが体中の組織や臓器が障害されてしまう症状です。
体の色々な感染症(肺炎、尿路感染症、皮ふの感染症、腸の感染症など)から敗血症に移行することがあります。
症状としては、高熱、息苦しさ、筋力低下、心拍数の増加、ショックなどが現れることがあります。
重篤な症状であり、命にかかわることもあります。
感染症に気付くことが大事になるので、体調に異常があればすぐに病院を受診してください。
脱水
頻度は0.2%
脱水(だっすい)と読みます。
この薬の作用として尿量の増加がありますので、それによる副作用です。
脱水は皆さん胃腸炎や熱中症などでも起こるのでご存じかと思います。
症状としては、口の渇き、血圧の低下などが現れることがあります。
その前段階として、多尿や頻尿の症状が現れることがあるのでここにも気を付けてください。
脱水になる前からの水分補給が大切です。
糖尿病の方は糖分が少ない飲料をこまめに飲むようにしてください。
脱水状態が強い時には経口補水液や点滴などの対処も必要になります。
脱水に引き続き脳梗塞などが起こった例もあるので、注意してください。
ケトアシドーシス
頻度不明
ケトン体が増えることで、体液が酸性に傾いている状態のことを言います。
インスリンの不足によって引き起こされることが多いです。
インスリンが血液中からブドウ糖を細胞に取り込んでエネルギーを作り出しますが、インスリン不足でその取り込みができなくなり、体の予備のメカニズムが動き出します。
そうなるとケトン体という物質が作られエネルギーとなります。
症状としては、吐き気、食欲がなくなる、腹痛、過度な口の渇き、だるさ、息苦しさ、意識障害などが現れることがあります。
そのような症状が現れたらすぐに病院を受診してください。
ショック・アナフィラキシー
頻度不明
症状としては、呼吸困難(息苦しさ)、冷や汗、血圧の低下、意識の消失、胸の痛み、体が赤くなる(じんましん)などが現れます。
すぐに、受診か救急車を呼んでください!
詳しくはこちら『ショック、アナフィラキシーとは』
その他の副作用のまとめ
『5%以上』
頻尿
『1%~5%未満』
便秘、口渇、体重減少、膀胱炎、多尿、陰部そう痒症、尿中β2ミクログロブリン増加、血中ケトン体増加
『1%未満』
貧血、糖尿病網膜症、下痢、胃炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、腹部膨満、齲歯、悪心、空腹、倦怠感、肝機能異常、脂肪肝、鼻咽頭炎、外陰部膣カンジダ症、細菌尿、ケトーシス、筋痙縮、糖尿病性ニューロパチー、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、感覚鈍麻、尿管結石、腎結石症、上気道の炎症、湿疹、発疹、蕁麻疹、薬疹、そう痒症、高血圧、尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿潜血陽性、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中ケトン体陽性、尿中α1ミクログロブリン増加、尿量増加
『頻度不明』
眼瞼浮腫、嘔吐、顔面浮腫、脱力感、筋肉痛、背部痛
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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