円形脱毛症や粃糠(ひこう)性脱毛症によく使われている優秀な薬の1つ
セファランチン(タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド)
先発品:セファランチン
ジェネリック名(一般名):タマサキツヅラフジ抽出アルカロイド
皮膚科で上記脱毛症の方に、処方されることが多い印象があります。
他には、放射線による白血球減少症にも保険適用がある薬です。
錠剤、粉末、注射のタイプ剤形があります。
円形脱毛症は多くの方がイメージできるかと思いますが、粃糠(ひこう)性脱毛症についてはどのような脱毛症か分かる人は多くはないのではないでしょうか?
簡単に言いますと、頭皮のフケが多くなり、それが固まりくっついてしまうことで、頭皮に炎症が起こり脱毛が進行していきます。赤みやかゆみが伴うことが多いです。
脱毛に対しての効果は比較的マイルドな感覚はありますが、昔から使われている薬で、比較的副作用も少ないので使いやすいと考えている医師も多いと思います。
少なからず副作用はありますので、下部へ記載していますのでご参考ください。
豆知識
セファランチンの成分であるタマサキツヅラフジ抽出アルカロイドは、ツヅラフジ科植物のタマサキツヅラフジの根を使用しています。中国南部や台湾の平地から山地に生えるつる性の植物です。
このセファランチン、実は新型コロナウイルス(COVID-19,SARS-Cov-2)に有効かも?という研究が出ております!
東京理科大学が2020.4.22に研究の一部を発表しました!
セファランチン単独ではなく、『ネルフィナビル』という抗HIV治療薬と一緒に使うことで効果的に排除できるかもとのことです。
細かい内容は省きますが、セファランチンはウイルスが細胞にくっつく(侵入)のを抑えて、ネルフィナビルが細胞に入ってきたウイルスの増加(複製)を抑えるという作用のようです。
実際にどのくらいの使用量でどのくらいの効果が見込めるか、まだ定まってはいませんがセファランチンの副作用は少ないので、今後期待されます。
今回の実験ではセファランチンは点滴で使用されているようですが、錠剤で飲める量でも効果があれば今後需要が増えるかもしれませんね!
ちなみに、このセファランチンですが、マムシ咬傷(こうしょう)、蜂に刺されたとき、滲出性中耳カタル(中耳に液体がたまる症状)などにも使用することがあります!(一部保険適用外)
薬の作用として、
- 血液幹細胞増加作用(血液を作る機能の回復を促進)
- 抗アレルギー作用(体内でアレルギーに関する物質を出すことを抑える)
- 副腎皮質ホルモン産生増強作用(体内で産生されるステロイドホルモン)
- 抹消循環改善作用(末梢の血管を拡張、血流の促進)
があり、免疫機能増強作用も言われることがあります。
実際に医師でも毎日服用している人もおり、私も今は毎日飲んで仕事をしています。(気持ちの部分もありますが笑)
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
ショック、アナフィラキシー
頻度不明
症状としては、呼吸困難(息苦しさ)、冷や汗、血圧の低下、意識の消失、胸の痛み、体が赤くなる(じんましん)などが現れます。
すぐに、受診か救急車を呼んでください!
詳しくはこちら『ショック、アナフィラキシーとは』
その他の副作用のまとめ
『頻度不明』
発疹、皮疹、浮腫(顔面、手足)、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢、AST(GOT)の上昇、ALT(GPT)の上昇、月経異常、頭痛、そう痒感、めまい
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなのか、体調異常の原因は数多くあります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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