高血圧の方によく使われている優秀な薬の1つ
ブロプレス(カンデサルタン)
先発品:ブロプレス
ジェネリック名(一般名):カンデサルタン
この薬には2mg、4mg、8mg、12mgの4種類があります。
オーソライズドジェネリックという先発医薬品と作り方や添加物も同じ特別なジェネリックも出ているので、先発品にこだわりがある方も問題なく使えて、価格も安くなっている薬も出ています。
このお薬はものすごく多くの方に使われている薬です。
高血圧以外にも慢性心不全にも使われることがあります。
豆知識
ブロプレスの種類
この薬は2㎎、4㎎、8㎎、12㎎と4種類に分かれていると先ほども記載しました。
一人一人の血圧や、他の病気を持っているか、腎機能の状態などで使う量を調節していきます。
量が多い方が良いだとか、そんなことはありません。
その方に応じた量に設定されていますので、疑問には思わなくて大丈夫です。
血圧の範囲
高血圧については『ミカルディス(テルミサルタン)』や『アテレック(シルニジピン)』、『アダラート(ニフェジピン)』、『ディオバン(バルサルタン)』もご参照ください。
血圧と言っても、実はいくつかに分類することができるのです。
早速、血圧の値との関係を見ていきましょう。
正常値
①至適血圧(一番良い状態)
上の血圧:120mmHg未満 かつ
下の血圧:80mmHg未満
②正常血圧
上の血圧:120~129mmHg かつ
下の血圧:80~84mmHg
③正常高値血圧(高血圧への移行に注意)
上の血圧:130~139mmHg または
下の血圧:85~89mmHg
高血圧
④軽症高血圧
上の血圧:140~159mmHg または
下の血圧:90~99mmHg
⑤中等度高血圧
上の血圧:160~179mmHg または
下の血圧:100~109mmH
⑥重症高血圧
上の血圧:180mmHg以上 または
下の血圧:110mmHg以上
とこのように分かれています。
普段正常値でも上記の③の範囲の方は注意が必要になります。
普段の生活で気を付けるべきは、やはり食事と運動です。
塩分を控えめにすること、そのためにはカップラーメンなどをたくさん食べる人は要注意です。
また、普段エスカレーターなどは使わずに歩くようにしましょう。
もしくは歩幅をいつもより大きくして、少し早めに歩くのも効果的ですよ。
ぜひ試してみてください。
血圧は低すぎてもダメ
血圧が低すぎると、ふらつきやだるさなどが出ます。
上の血圧が100mmHg以下になったら低血圧だと思ってください。
薬を飲んでいて、そのような状態になったら、医師に相談してください。
重大な副作用のまとめ
重大な副作用とは、命の危険があるもの、副作用が出た際に身体に重大な影響があるもの等の副作用症状ですので、是非、目を通していただいて、頭の片隅に置いておいてください!
簡単な症状も記載しておきますので、参考にしてください。
※副作用は必ず起きるものではございません
※ご自身の判断で使用を中止せず、異常がある時は必ず医師・薬剤師にご相談ください
血管浮腫
頻度不明
血管浮腫(けっかんふしゅ)と読みます。
血管がむくむと言うと分かりにくいですが、急に皮膚や粘膜などが腫れることを言います。
多くの場合は、まぶた・くちびる・頬に多くみられます。
皮膚以外にも、口の中・舌・のど・消化管なども腫れることがあり、特にのどが腫れると息がしづらくなり、窒息するおそれがあるので危険です。
症状としては、くちびる・まぶた・舌・口の中・顔・首が大きく腫れる、のどの詰まり、息苦しさ、話しづらさ等が現れます 。
息苦しい場合は、直ちに救急車を呼んだり、病院を受診してください。
ショック・失神・意識消失
頻度不明
この中ではショックが一番ひどい状態ではあります。
症状として、冷感、嘔吐、意識消失などが現れます。
特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者さんでは少ない量から薬を開始して、増量する時は患者さんの状態を十分に観察しながら徐々に行うこととされています。
急性腎障害
頻度不明
急性腎障害(きゅうせいじんしょうがい)と読みます。
簡単に言うと、腎臓の機能が低下することをいいます。
腎臓の大きな役割は、いらなくなった老廃物やナトリウム、塩素、カリウムなどの体内で使われる成分のいらない分を尿として排泄します。
腎不全が重症化すると、人工透析になることもあります。
症状としては、尿量が少なくなる、発疹、むくみ、体がだるい等が現れます。
むくみが急に強くなったり、尿の異常などが現れたら、主治医に相談してください。
高カリウム血症
頻度不明
高カリウム血症(こうかりうむけっしょう)と読みます。
身体の中のミネラルは、人の活動・機能維持にとっても大事なものです。
なので、多すぎても少なすぎてもダメなのです。
症状としては、唇がしびれる、手足が動きづらい・力が入らない・しびれ・まひ、筋肉が衰える、筋力の減退などが現れます。
腎機能障害、コントロール不良の糖尿病の方などは元々血清カリウム値が高くなりやすいので注意が必要です。
それ以外にも原因として、他に飲んでいる薬が影響している場合もあります。
血液検査をしなければ分かりませんが、体の動きがいつもと違うなどの異常が現れたら医師に相談してください。
肝機能障害・黄疸
頻度不明
肝機能障害(かんきのうしょうがい)、黄疸(おうだん)と読みます。
黄だん、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴うこともあります。
症状としては、体のだるさ、食欲がない、発熱、発疹、吐き気・おう吐などです。
黄疸の症状は、目の白い部分が黄色になるなどが現れます。
血液検査をしなければ、体調不良との見分けが難しいので、異常があればご相談ください!
詳しくはこちら『肝機能障害、黄疸の症状とは』
無顆粒球症
頻度不明
無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)と読みます。
白血球は聞いたことある方が多いと思いますが、体に入った細菌などの異物をやっつける重要な働きをしています。
その白血球の中の好中球が著しく減ってしまい、細菌などの異物に対する抵抗力が弱くなります。
症状としては、突然の高熱、寒気、のどの痛み等の風邪症状が現れます。
風邪をひきやすくなったり、体調の異常があれば受診してください。
横紋筋融解症
頻度不明
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)と読みます。
筋肉が壊れて、溶けてしまうイメージです。
症状としては、運動もしてないのに手足の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力がはいらない、全身がだるい、尿の色が赤色になる等があります。
筋肉が壊れるだけでなく最悪の場合、他の臓器にダメージを与えて、重い障害を残すこともあります。
違和感があればすぐに受診して、血液検査をしてください。
間質性肺炎
頻度不明
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)と読みます。
肺は直径が約0.1~0.2mmくらいの肺胞(はいほう)と呼ばれる小さな袋が集まってできています。
例えるとブドウの房みたいな感じですね。
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)は、この肺胞(ブドウの実)の壁や周辺に炎症が起こり硬くなるイメージです。
そうすると、うまく酸素が取り込めず、血液中の酸素が減ってしまい息が苦しくなります。
症状がひどいと、酸素ボンベを常に付けながらの生活をすることもあります。
症状としては、階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、乾いたせきが出る、発熱等が現れます。
これらの症状が現れたら加齢だからとは思わずにご相談ください。
低血糖
頻度不明
低血糖(ていけっとう)と読みます。
糖尿病の薬以外でも副作用で低血糖を起こすことがあります。もちろん糖尿病の薬を使用している方はさらに注意が必要です。
血糖値が、60‐70 mg/dL未満なると低血糖症状が現れやすくなります。
低血糖は、冷や汗、吐き気、強い空腹感、寒気、動悸、手足の震え、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになるなどの症状が現れます。
最悪の場合、昏睡などもあります。
低血糖症状が現れたらすぐに糖分補給をしてください。(できればブドウ糖が良いですよ!)
自分ではどうしようもなくなったら、直ちに救急車を呼んでください!
その他の副作用のまとめ
※高血圧症と慢性心不全症での使用の場合で異なることがあるので重複あり
『5%以上』
立ちくらみ、低血圧、ふらつき、γ-GTP上昇、貧血、BUN、クレアチニンの上昇、血中カリウム上昇、血中尿酸上昇、血中CK(CPK)上昇
『0.1%~5%未満』
発疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒、光線過敏症、めまい、ふらつき、立ちくらみ、動悸、ほてり、頭痛、頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感、悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、口内炎、AST(GOT)・ALT(GPT)・AL-P・LDH・γ-GTPの上昇、貧血、白血球減少、白血球増多、好酸球増多、血小板減少、BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿、倦怠感、脱力感、鼻出血、頻尿、浮腫、咳、血中カリウム上昇、総コレステロール上昇、血中CK(CPK)上昇、CRP上昇、血中尿酸上昇、血清総タンパク減少、徐脈、期外収縮、頭重感、しびれ感、便秘、胃潰瘍、口渇、味覚異常、視覚異常、低ナトリウム血症
『0.1%未満』
期外収縮、心房細動、四肢のしびれ感、味覚異常、低ナトリウム血症、腰背部痛、筋肉痛、
『頻度不明』
血管浮腫、ショック、失神、意識消失、急性腎不全、高カリウム血症、肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、横紋筋融解症、間質性肺炎、低血糖、
多くの方が使っている薬でも危険な副作用があります。
副作用が出た時は、対処スピードが重要です。
薬の副作用なのか、体調不良や病気によるものなど原因は多々あります。
実際には医師・薬剤師でも判断はかなり難しいものです。
少しでも気になることがあれば、ご相談ください。
医師には言いづらいこともあると思います。
その際は、お気軽にかかりつけの薬剤師に相談してくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんは知識が増えただけでなく、自分自信を守る方法も増えましたね。
「副作用は常に隣り合わせ!」を忘れずに!!
参考
PMDAホームページ
添付文書
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